培地調整 |
オガコ |
ヒラタケ栽培では主に価格の安い針葉樹オガコが利用されますが、もちろんブナ、クヌギ、ナラなどの広葉樹オガコがあればそれを使用して下さい。 |
添加物 |
一般に穀物系の栄養体を添加します。米ぬかや小麦ふすまが入手しやすいでしょう。オガコの量の4分の1から3分の1位が適当です。 |
水分 |
オガコと栄養添加物をよく混ぜ、水分60〜70%になるように加水します。目安としては、手で強く握ったときに指の間から少し水がにじむ程度にします。 |
詰め込み |
栽培用ポリ瓶やガラス瓶などに8分目ほどの高さに詰め込みます。中央には瓶底まで穴を開けておいて下さい。
培地をビンに詰め込んだら、通気フィルターを施した蓋を閉めてから殺菌処理をします。(クラフト紙やアルミホイルを蓋の代用にする方法もあります)
水分調整した培地は、長時間放置すると性質が変化して使用できなくなります。1日経過しただけでほとんど活着不良になることもあります。数時間の内に殺菌作業を行うことが重要です。 |
殺菌 |
常圧殺菌 |
培地温度が100℃の状態を3時間以上維持します。培地温度が100℃に達するのと殺菌釜の温度上昇にはタイムラグがあるので、実際には殺菌釜の内部温度が100℃になってから4〜5時間以上が必要です。
ご家庭では蒸し器を利用すれば殺菌できますが、長時間の作業で空焚きにならないように差し湯をする必要があります。 |
高圧殺菌 |
気圧を上げて100℃以上の温度が維持できれば殺菌時間が短縮できます。培地温度120℃なら30分で完全殺菌できます。
理化学用の高圧蒸気滅菌器は高価ですが、調理用の圧力鍋で高圧殺菌が可能です。蒸気が盛んに出るようになったら、その状態を保てる程度の弱火で30〜60分炊き(※)、火を止めて圧力が下がるまで蒸らします。
※強火のままだと圧力が抜けてしまいます。圧力の高い機種ほど短時間で殺菌できますが、殺菌不良を避けるため処理時間は可能な限り長い方が安全です。 |
電子レンジ |
電子レンジでは、ビンの内容物のみが高温にまるため、ビンの内圧が高くなります。キャップに圧力を逃がす工夫をしておかないと破裂の危険があり大変危険です。お手軽な殺菌方法として流行していますが、充分注意して行って下さい。 |
接種(植菌) |
器具等 |
・スプーン、または先を曲げた金属の棒(巨大な耳掻きを想像して下さい)
・エタノール(消毒用アルコール)
・アルコールランプ、またはバーナー |
器具の殺菌 |
接種に使用する器具はエタノールに10分も浸しておけば殺菌できます。火炎滅菌する場合は熱くなるまで充分に焼いて下さい。エタノールは引火しやすいので火炎滅菌との併用は避けた方が賢明です。 |
接種環境 |
殺菌が完了した培地は清潔な場所で接種可能な温度まで冷まします。手で触って温かいと感じる場合は接種できません。
接種時はキャップを取るので雑菌に汚染されやすい瞬間です。雑菌はチリに乗って空中を漂っているので、なるべく無風の状態で素早く行って下さい。殺菌処理した培地に汚れた大気が入ると爆発的に雑菌が繁殖します。室内の移動は静かに行い、エアコン等を使用しないように注意してください。絨毯を敷いた部屋は雑菌侵入の可能性が高くなります。
また雑菌の汚染源は作業者自身であることもあります。人間の体(衣服、頭髪など)からはチリと一緒に絶えず雑菌が放出されています。ホコリの出にくい素材の衣服(半袖)を着用して下さい。 |
種菌の扱い |
種菌はビン表面をエタノールでよく拭き、ビンの口部分を火炎滅菌して上部を少し掻き捨てます。(前処理)
前処理をした種菌はビンを上向きに置かず、横向きにして下さい。作業台に清潔な濡れ布巾を置き、その上に種菌を置けば転がりません。
接種量は栽培瓶1本当たり20tぐらいです。上級者は摂取量が少なくても構いませんが、なるべく露出した培地の表面を覆い隠すぐらいの量を接種した方が雑菌対策としては有効です。 |
培養 |
環境 |
ヒラタケ菌は25〜30℃でよく伸びますが、自家培養では高温だと雑菌に汚染されやすいので20℃位で培養します。やや暗めの場所で行います。 |
発生 |
温度 |
平茸の発生は菌さえ回れば特に難しい業は要りません。発生に適した気温になれば自然に芽が出来てきます。だいたい5度〜15度くらいが良く発生します。 |